107th Paris-Roubaix
2009年4月13日 Web Staff

[上:高いモチベーションを持って挑んだ別府選手が良い位置でパヴェをこなす]
[下:パヴェの王様トムボーネンが異次元のオーラを放って北の地獄を制した]
photo(c):Yuzuru Sunada/www.yuzurusunada.com
4/12(日)に、[Paris-Roubaix]が行われました。
◆大会公式WEBサイトはこちら[http://www.letour.fr/indexPRX_fr.html]
4月12日(日)に、ヒストリカルレースの[Paris-Roubaix]が開催されました。
このレースに、スキル・シマノから以下の8名がエントリー。
111 Cyril Lemoine (Fra)
112 Fumiyuki Beppu (Jpn)
113 Bert De Backer (Bel)
114 Koen De Kort (Ned)
115 Mitchell Docker (Aus)
116 Floris Goesinnen (Ned)
117 Long Jin (Chn)
118 Tom Veelers (Ned)
※参加チーム=24チーム
◆以下、[cyclowired.jp]のレポートです。
「これまでの3勝の中で最も過酷だったーーー」。連覇を達成したトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)はレース後そう振り返った。相次ぐ落車やパンク、マシントラブルを乗り越え、有力選手ひしめくグループから終盤のパヴェで飛び出したボーネンが、ヴェロドロームまで独走。2年連続、3度目のタイトルを手にした。
「泥レース」を予感させた事前の天気予報を覆し、選手たちを迎えたのは北フランスの曇り空。前半の舗装路でアタックが繰り返され、逃げは最初の1時間を平均45.7km/hで駆け抜けたあとにようやく決まる。
2001年大会優勝者のセルファイス・クナーフェン(オランダ、ミルラム)やアンドレアス・クリアー(ドイツ、サーヴェロ)らが入ったこの11名の逃げは、最大4分のリードを得て連続するパヴェ区間に突入した。
逃げに選手を送り損ねたサイレンス・ロットやスキル・シマノが集団を牽引。2年ぶりの出場となる別府史之(スキル・シマノ)も集団前方に姿を見せた。
逃げる11名と、追走する大集団。この膠着状態を切り裂いたのは、前半の難所、難易度五つ星のアランベールだ。激しいポジション争いの末にハイスピードでこの悪路に突入したメイン集団は、ボーネンを先頭に猛進。集団中盤の大落車も影響し、この難所で集団は30名ほどに絞られた。
舗装区間でメイン集団は60名ほどに膨れ上がったが、横風区間のサクソバンクのペースアップにより再び30名に絞られる。執拗なボーネンのアタックが再び集団を破壊させ、精鋭たちがゴールまで60kmを残してついに先頭グループを捉えた。
ここからは連続するパヴェでアタックに次ぐアタックだ。消耗戦の末に、ゴールまで50kmを残した五つ星モンサン・ペベルのパヴェでボーネンが再びアタックを成功させ、フースホフト(サーヴェロ)、フレチャ(ラボバンク)、ポッツァート(カチューシャ)、ファンスーメレンとホステ(サイレンス・ロット)の5名が合流。ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)やファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)らは出遅れた。
ロンド・ファン・フラーンデレンでボーネンのマークに徹底したポッツァートもローテーションに加わり、先頭6名は協調体勢が成立。一段とペースを上げるこの強力な6名に、後続グループが追いつくことは無かった。
連続する難易度四つ星のパヴェを越え、先頭6名の体制が崩れたのはラスト16km地点。この日最後の難所カルフール・ダルブルを前に、勢いあまったフレチャがコーナーでクラッシュし、ホステとファンスーメレンが避けきれずに突っ込んでしまう。落車を免れたボーネンとフースホフト先頭でカルフール・ダルブルに突入した。
そして観客に埋め尽くされたカルフール・ダルブルで勝負は決まった。ブラインドコーナーでフースホフトがオーバースピードでクラッシュ。相次ぐライバル選手の落車により、ゴールまで14kmを残してボーネン独走を開始した。単独で追走したのはポッツァートだ。
ロンドで互いをマークし合った結果、共倒れに終わったボーネンとポッツァート。この両雄が一進一退の攻防を演じた。単独で走る両者は互いに譲らず、タイム差は15秒を推移して進行。しかしラスト10kmを切るとタイム差は拡大に転じた。
大歓声の中、ボーネンは独走のままヴェロドロームへ。追いすがるポッツァートを振り切ったボーネンがトラックを周回し、大会3勝目を意味する3本指を立ててゴールに飛び込んだ。
メルクスやムセーウといったレジェンドに肩を並べるパリ〜ルーベ3勝目。しかし決して順風満帆の勝利ではなく、自ら何度もアタックを仕掛け、さらに落車やメカトラとの闘いでもあった。喜び溢れるボーネンの「これまでの3勝の中で最もハードだった」というコメントがレースの過酷さを物語る。
「セクター3のパヴェで落車して、脚と腕を痛めたんだ。自分に『問題ない問題ない』といい聞かせながらレースを進めた。ラスト30kmを切るとリアホイールが壊れて、何とか交換したけど非常に苦しいタイミングだった。でもライバル選手のほうが苦しかったと思う」。
ライバル選手の相次ぐ落車がボーネンに有利に働いたのは事実。しかし落車を避けることも重要なテクニックの一つ。勝負どころでの位置取りや、重要なコーナーでの的確なライン取りはボーネンがずば抜けていた。経験によって身につけたパヴェ走行テクニックが、ボーネンを3勝目に導いたと言っていいだろう。
勝負の決め手となったのは終盤のカルフール・ダルブルに違いない。「フースホフトがアタックしたから反応しただけ。フレチャの落車は見ていない。パヴェに集中しながら振り返ることなんて不可能」。ボーネンはフースホフトの落車にも気づかず、「自分からアタックを仕掛けて独走態勢に入った」と語っている。
これまでスプリント勝負で2勝しているボーネンだが、今回は6名のスプリント勝負ではなくアタック→独走を選択した。「サイレンス・ロットは2人を揃えていたし、フレチャは協力しなかった。あの状況では、アタックすること無く6名のスプリント勝負に持ち込むことは避けたかった」と語る。
ボーネンの活躍の影には、クラシックシーズン序盤から強さを発揮しているクイックステップの強靭なチーム力がある。この日はマールテン・ワイナンツ(ベルギー)が序盤の逃げに乗り、シルヴァン・シャヴァネル(フランス)やステイン・デヴォルデル(ベルギー)が伏兵として動き回った。クイックステップは2年連続でロンドとパリ〜ルーベを制した。
ボーネンの次なる目標は7月のグランツール。「今週はスプリントと無縁だったけど、7月のツール・ド・フランスではマイヨヴェールを狙っていく」。ボーネンはクラシック連戦を最高の形で終えた。
2位には王者ボーネンに挑戦状を叩き付け、完全アウェーの状況下で健闘したポッツァート。3位にはホステをスプリントで破ったフースホフトが入った。完走者は99名。レース中盤までアシストとして集団前方で走っていた別府史之は、アランベールでの落車に巻き込まれて脱落。メカトラも影響して集団復帰ならず、途中リタイアを喫している。

[上:難所アーレンベルグで落車に巻き込まれた別府選手はここで大きく遅れる]
[下:ボーネン対ポッツァートの因縁対決は力勝負で決着がつきお互いを称えあった]
photo(c):Yuzuru Sunada/www.yuzurusunada.com
◆[リザルト]
[Paris-Roubaix - France - HIS - 259km]
1 Tom Boonen (Bel) Quick Step 6.15.53 (42.343 km/h)
2 Filippo Pozzato (Ita) Team Katusha 0.47
3 Thor Hushovd (Nor) Cervelo Test Team 1.17
4 Leif Hoste (Bel) Silence-Lotto
5 Johan Van Summeren (Bel) Silence-Lotto 1.22
6 Juan Antonio Flecha (Spa) Rabobank 2.14
7 Heinrich Haussler (Ger) Cervelo Test Team 3.13
8 Sylvain Chavanel (Fra) Quick Step 3.15
9 Manuel Quinziato (Ita) Liquigas 5.00
10 Matti Breschel (Den) Team Saxo Bank 5.29
11 Wouter Weylandt (Bel) Quick Step
12 Andreas Klier (Ger) Cervelo Test Team
13 Frédéric Guesdon (Fra) Française Des Jeux
14 Kévin Van Impe (Bel) Quick Step 6.15
15 Roger Hammond (GBr) Cervelo Test Team
16 Kurt-Asle Arvesen (Nor) Team Saxo Bank
17 Niki Terpstra (Ned) Team Milram
18 Bert Scheirlinckx (Bel) Landbouwkrediet - Colnago 6.19
19 Jérémy Hunt (GBr) Cervelo Test Team 6.32
20 Marcel Sieberg (Ger) Team Columbia - Highroad
56 Tom Veelers (Ned) Skil-Shimano 12.12
79 Cyril Lemoine (Fra) Skil-Shimano 17.36
82 Floris Goesinnen (Ned) Skil-Shimano
86 Bert De Backer (Bel) Skil-Shimano
DNF Fumiyuki Beppu (Jpn) Skil-Shimano
DNF Koen De Kort (Ned) Skil-Shimano
DNF Mitchell Docker (Aus) Skil-Shimano
DNF Long Jin (Chn) Skil-Shimano





















